皆様こんにちは、株式会社オクトパスソフトウェア代表取締役の足立です。
テクノロジーの進化は日進月歩です。
私たちIT企業が注目する技術には共通して、
「効率化」「安全性」「リアルタイム性」「ユーザー体験の革新」といったキーワードが存在しています。
今回は、2025年2月現時点で注目を集めているIT技術を4つピックアップし、
現場目線でその背景と可能性を解説していこうと思います。
1. AI統合技術(生成AI×業務自動化)
ChatGPTをはじめとした生成AIの登場は、
IT業界のみならず教育、医療、法律、マーケティングなど、あらゆる業種に衝撃を与えました。
そして今、注目されているのは「AIと業務プロセスの融合」です。
例えば、社内のFAQを自動で回答するチャットボットや、議事録の自動生成、日報の自動化、
顧客対応の一次窓口など、日常業務にAIを“溶け込ませる”取り組みが広がっています。
OpenAIのAPIや、LangChainのようなフレームワークを活用することで、
企業独自のAIサービスを比較的低コストで実装できるようになってきました。
これからの企業に求められるのは、「AIを使えるか」ではなく、
「どこに、どう使うか」なのではないでしょうか。
2. エッジコンピューティング(Edge Computing)
エッジコンピューティングとは、データの処理をクラウドではなく「利用者の近く」で行う技術です。
このトレンドは、IoTの普及やリアルタイム処理の需要増加によって急速に注目を集めています。
たとえば、自動運転車やスマートファクトリーでは、ミリ秒単位の遅延が許されません。
そこで、クラウドに依存せず、端末やネットワークの“フチ”で処理を行うことで、
遅延を最小化し、高速な応答性を実現します。
さらに、2025年はCloudflare WorkersやVercel Edge Functionsのように、
開発者でも手軽にエッジ処理を組み込める時代になりました。
「クラウドだけでは間に合わない」時代に、エッジは新たな選択肢として定着しつつあります。
3. Bun(次世代JavaScriptランタイム)
長年Web業界の裏側を支えてきたNode.jsに対して、新たな選択肢として登場したのがBunです。
Bunは、JavaScript・TypeScriptを高速に実行できる軽量ランタイムで、
パフォーマンスの面で大きな注目を集めています。
例えば「”Hello, World”を返すだけの単純なアプリケーション」を作成する場合、
Node.jsで作成した場合とBunで作成した場合では性能にどれだけ差が出るのでしょうか。
実際にBun公式が出している上記の機能要件で「1秒間に何件のリクエストを捌けるか」を表した表においては、
Node.jsが19,039件に対してBunは59,026件と、およそ3倍近い量のリクエストを捌くことが出来ています。
うーん、早い。早すぎる。
そして特徴は何と言っても「爆速の実行速度とパッケージインストール」です。
npmやYarnに比べ、依存関係のインストールが桁違いに早く、
テスト・ビルド・実行の一貫した体験が提供されます。
2025年現在、多くの開発チームが「Bunでの新規プロジェクト立ち上げ」を検討しており、
Node.jsに代わるデフォルト環境になる可能性も見えています。
効率的でストレスのない開発環境を求める開発者にとって、
Bunは確実に選択肢の一つとなっています。
4. パスキー(Passkey)による次世代認証
これまで、私たちは「IDとパスワード」でサービスにログインしてきました。
しかし、2025年に入り、パスキー(Passkey)という認証方式が急速に広まっています。
パスキーは、ユーザーの端末に格納された暗号鍵を使って認証する仕組みで、
パスワードを使わずに、より安全にログインできるのが特徴です。
最近だとネットバンクのアプリケーションなどでよく見かけるようになりましたね。
AppleやGoogle、Microsoftが共通仕様で対応しており、
スマホ1つで生体認証だけでログインが完了する未来が現実となりつつあります。
この技術の普及は、ユーザー体験(UX)を向上させるだけでなく、
企業側のセキュリティ管理の負担軽減にもつながります。
「パスワードが漏れるリスク」と決別する時代が、いよいよ本格化しています。
ただしスマホを落としたらおしまいなので、その点は注意が必要ですね。
スマホを落としただけなのに…
まとめ:変化の先にある“次の標準”を見据えて
どの技術も、いずれは「当たり前」になる可能性を秘めています。
企業として重要なのは、こうした変化を単なる流行として見るのではなく、
自社の事業や業務とどう結びつけられるかを考える視点だと私は考えています。
私たちも、こうした新技術に柔軟に対応しながら、
お客様にとって価値あるソリューションを提供し続けてまいります!
言うなれば「技術に追いつく」のではなく、「技術とともに前に進む」──
そんな姿勢が、2025年以降のIT企業には求められているのではないでしょうか。
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