コラム

小学校のプログラミング必修化ってどうなの?

皆様こんにちは、株式会社オクトパスソフトウェア代表取締役の足立です。

2020年度から小学校でプログラミング教育が必修化されましたね。

「え、そんな小さい頃からプログラミング?」

と驚いた方も多いかもしれません。

実際、現場でも戸惑いの声は多く、

「英語教育と同じで、結局使えるようにならないのでは?」

「プログラマーになる気がない子にとっては意味あるの?」

といった疑問も少なくありません。

今回は、IT企業の視点からこの制度について考えてみたいと思います!

英語教育と同じように“実用的じゃない教育”になってしまう?

まずよくある懸念の一つが

「英語教育のように形だけで、実用性が伴わない教育になるのでは?」

という声です。

実際、日本の英語教育も長らく“受験のため”の暗記型が主流で、
「話せない英語教育」と揶揄されてきました。

プログラミング教育もツールを使ってなんとなく動きをつけて、
「楽しいね!!!」で終わってしまえば、同じ轍を踏むことになりかねません。

ですが、文部科学省の方針としては、

「プログラマーを育てることが目的ではなく、“論理的思考力”を育てること」

が重視されています。

つまり、“手段”としてのプログラミングであって、“目的”にしてはいけないということ。

ここを履き違えると、確かに中途半端な教育になってしまう可能性はあるでしょう。

この流れは、世界的にも注目されているSTEM教育(Science, Technology, Engineering, Mathematics)の一環でもあります。

STEMは、子どもたちに「正解を覚える」のではなく、「どう考えるか」を教える教育手法です。

プログラミングはその中でも「Technology」の領域を担い、
創造力や論理的思考を育てる入り口として注目されています。

興味のない子には苦痛? 実はそうでもないかも…

「プログラマーになる気がない子にとっては意味ないのでは?」

という意見も根強いですが、実際の授業は想像よりもずっと“遊び”に近いものです。

たとえば、画面上のキャラクターに動きをつける、パズルを解くように命令ブロックを組み立てる——

こうした活動を通して、自然と“順序立てて考える”力が育っていきます。

算数や国語と違って“正解が一つじゃない”というところもプログラミング教育の面白さですね。

論理的に考え、失敗しても自分で原因を探り、工夫する。

これはどんな職業に就くとしても役立つスキルです。

そしてこうしたアプローチは、STEM教育の考え方とも一致しています。

単なる“技術者養成”ではなく、問題解決力や創造性を育む「思考力重視」の教育が、
今後の社会ではますます求められていくでしょう。

これからのIT教育、どう進化すべきか?

とはいえ今のカリキュラムにはまだ課題も多く、
教える先生のスキルや教材の質にもバラつきがあります。

今後のIT教育では、プログラミングだけでなく「情報リテラシー教育」「AIとの付き合い方」など、
より実社会に根差した内容が求められるでしょう。

また、個々の子どもが持つ興味や適性に合わせた「選択制」の導入も重要です。

全員に一律の教育をするのではなく、興味を持った子にはより深い学びを、
苦手な子には論理的思考の入り口として別の切り口を提示する柔軟さが必要です。

この点でも、STEM教育は「子どもが主体的に学ぶ」ことを重視しています。

一方通行の授業ではなく、探究的な学びをどう支えるか。

それがIT教育全体の課題となっています。

まとめ:プログラミング教育は“入口”である

小学校のプログラミング教育は、いわば“現代社会に必要な思考法”の入り口です。

英語のように「しゃべれるようになる」ことがゴールではなく、
問題をどう捉え、どう分解し、どう解決していくかという“考える力”を養うための手段です。

STEM教育の一環として捉えれば、プログラミングはその導入として非常に有効と言えますね。

子どもたちにとってそれが「楽しい」と感じられるかどうかが、教育として成功するかどうかの鍵です。

そして、IT企業としてもその環境づくりに貢献できる余地はまだまだあると考えています。

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